TILTテクノロジー特集

重さとボリュームを増やすことなく、より暖かく快適に

Rabによって当時世界で初めて開発された熱反射テクノロジー「TILT (サーモイオンライニングテクノロジー)」は、防寒ジャケットやスリーピングバッグなどのインサレーションアイテムにおいて、重量・通気性・パックサイズを犠牲にすることなくできる限り保温力を向上させたいという願いから生まれました。

宇宙探査や緊急用ブランケットに使用されている技術からインスピレーションを得た私たちは、生地の繊維そのものにチタンコーティングを施すことで、通気性を妨げることなく熱を身体に向けて反射させる独自技術「TILT」を開発しました。

TILTテクノロジーとは？

動画解説：

ILTとは「サーモイオンライニングテクノロジー」と名付けられた熱を反射する生地コーティング技術を表わし、通気性と快適性を維持しながら、エマージェンシーブランケットのように熱を体に反射させ、輻射熱の損失を大幅に低減する最先端の断熱技術です。この技術を施すことで、ラボではヒートロスを従来より最大15～30%削減できることに成功しました。

TILTライニングは繊維レベルでチタン粒子を蒸着することでコーティングします。これこそがTILTの特に重要なメリットのひとつであり、生地の目が詰まらないということはつまり通気性を妨げるということがありません。

また他のダウンプルーフ素材と同様に柔らかく軽量となり、このコーティングによる重量の増加という影響はほぼ無視できます。さらに、このコーティングは摩耗したり経年劣化することがなく、製品の寿命の間ずっとパフォーマンスが維持されます。

形を変えてさまざまな製品に搭載可能なTILT

TILTには大きく2つの搭載方法があります。ひとつは目に見える裏地として、そしてもうひとつは「スクリム」と呼ばれる裏地内部の多層メッシュ層として。これらを寝袋やマットレス、防寒ジャケットなどさまざまな製品に、最適な形で施すことができます。

裏地型

裏地型は、TILTを裏地そのものに施す搭載方法です。この方法では、使用されているチタン粒子の銀色の光沢がジャケットや寝袋の裏地からはっきりと見ることができるでしょう。これによって可能な限り使用者に近い部分にTILTが位置するため、TILTの効果を最大限に高めることができます。

スクリム型

もうひとつのスクリム型は、TILTを「スクリム」と呼ばれる一枚の層に施す方法で、衣服内部に位置する極薄のガーゼのような層をアルミニウム粒子でコーティングするものです。効率をできる限り高めるために、ライニングのすぐ後ろのできるだけ身体に近い位置に配置されています。

TILTを用いることによって、ダウンなどの断熱素材の分量を少なくしても従来と同じレベルの保温性能を保てることになり、これまで実現できなかった大幅な軽量化を実現することができます。しかもそれによって快適さや耐久性が失われることもありません。

TILT × スリーピングバッグ（裏地型）

2024FWモデルのスリーピングバッグ（寝袋）では、TILTテクノロジーは以下のモデルに採用されています（左からMythic Ultra 180、Mythic Ultra 360、Mythic Ultra 120 Modular）。

TILT × スリープマット（スクリム型）

一方2024FWのスリープマットでは、以下の製品でTILTテクノロジーが採用されています（左からUltrasphere 4.5、Ionosphere 5、Ionosphere 5.5）。

TILT × 断熱ジャケット（裏地型・スクリム型）

最後にインサレーションジャケットでは、裏地型・スクリム型それぞれのTILTテクノロジーがアイテムのコンセプトに合わせて選択され、以下の製品で採用されています（左からMythic G Jacket、Mythic Ultra Jacket、Cirrus Ultra Hoody）。

軽さと断熱性、通気性、どれも妥協したくないすべての登山愛好家のために生み出されたTILTテクノロジー。このまだ体験したことのない革新的な軽さと暖かさを、ぜひ手に取って感じてみてください。